昨日の下着入れ無断物色事件(未遂)により隣人と気まずい空気になってしまった本日。さすがに今日は来ないだろうと夕飯は作らず適当に済まそうと思い気晴らしに散歩してから帰宅した。のだが、
「なんでいるの…」
家の前には総悟くん。昨日の今日でどんだけ図太い神経してんだ、と思いながら聞いてみたらとにかくうちに来いと言われ半ば強制的に連行された。五日振りの総悟くんの部屋だけど玄関には既に大きな靴があって、中に入ると土方さんまでいた。
「え、なんか怖いよ、なにこれ」
重々しい雰囲気に似合わず何故かマヨネーズ?柄のエプロンをつけた土方さん。真顔の総悟くん。恐怖を感じずにはいられないわけだけど。
「とりあえず座りなせェ」
「あ、はい」
「まぁなんだ、あー、昨日のことなんだが、」
「言い過ぎました、ごめんなさい」
土方さんが話し出す前に遮った私の言葉に驚いたのか固まる二人。何言ってんだこいつ、みたいな目でみるのはやめてください。
「なんでお前が謝んだよ」
「いきなり帰れはちょっと冷たかったかなぁって」
「あんたアホでさァ」
何も返せない様子の二人に苦笑いすると総悟くんは怒ったような言い方で返してきた。あれ、なんでアホ扱いされてるんだ私。嫌な雰囲気にはなりたくないと思い反省して謝ったつもりの私の言葉を無下にしおってからに。
「…今日はあれだ、総悟と昨日のこと謝ろうと思って呼んだんだが、都合悪かったか?」
「いや、全然時間は腐るほど余ってるので」
「じゃあとりあえず飯でも食ってけ。今帰りならまだだろ?」
「え!土方さんが作ったんですか?」
「一応な」
嫌な空気を感じ取ったからか土方さんが話題を変え、何故か照れながら目の前にどんぶりに並々と盛られた何かを置いてきた。土方さんが作った、ということはこのファンシーなエプロンについての説明とも言えるだろう。
「これは…」
「土方スペシャルだ」
「土方、スペシャル…」
生き生きとした顔で土方スペシャルなる料理?について語られたがぶっちゃけこの上の渦巻きがマヨネーズであるという事実しか分からなかった。ていうか、そんなイイ顔されたら私これ食べなきゃいけないじゃん。その間の総悟くんは全くの無言で、今私を助けてくれる人はどこにも見当たらない。
「い、いただきます…」
「おう」
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