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「…あー俺もう無理だわ眠い」
「寝んの?」
「寝る。明日当直だから早ェーの。お前もたまには朝から来いよ?」
汗だくになった身体を洗い流して風呂から出ると冷蔵庫からアイスを取り出した銀八は少しお疲れの様子。一回で疲れちゃうんだ、おっさんだなぁ。
「先生ってさ」
「あー?」
「テクニシャン?」
「…何言ってんのみょうじサン」
「いや、なんか」
すごい良かったから、言おうとしてすぐ口を噤んだ。こんなこと言ってどうするんだ恥ずかしい。よく知りもしない中には初めて会ったおっさん達としてたセックスとは違って、引き締まった腕や意外としっかりした胸板に艶っぽい声に脳の髄から痺れる感覚を思い出して頬が熱くなる。
元から知ってる、しかも自分のクラスの担任なんて相手としたから違って感じたのかな。きっとそうに違いない。誰とヤろうとあまり変わらないと思ってたけどそれが間違いだったのかも。まぁ気持ち良いに越したことはないんだけどさ、なんか悔しいじゃん。
「なんか、なんだよ」
「なんでもない。私も寝るおやすみ」
「は?唐突すぎんだろオイ!」
私の考えていることなんて露知らず、押し黙ったところを追求してくる銀八が鬱陶しかったので足早に寝室に引っ込んでやった。
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