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「汚い」

「馬鹿野郎、男の一人暮らしなんざみんなこんなもんだ」

「あのティッシュの山なに」

「か、風邪引いてんだよ!あー鼻がムズムズして仕方ねェなー!!」


銀八の部屋は国語準備室と同じにおいがした。煙草と埃とほんのり甘い砂糖みたいなにおい。


「先生って本当に先生?」

「あ?どう意味だコラ教師だって須くみんな毎日家帰ったらシコって寝てんだよ悪ィか」

「そうじゃなくて。なんでここまでしてくれんの」

「ここまでって何だよ」


はっきり言えと返され、わざわざ確認するように自分から聞いていいものなのかと言いあぐねる。


「援交止めたり、家あげたり、普通面倒なことって放っておくでしょ」

「んなもん俺ァ性欲発散できそうなラッキーな話し思いついただけだ。買い被ってんじゃねーよ」


世の中ギブアンドテイクだろーが、と言い切られそれ以上何も返せなくなった。別に今更誰に抱かれようと大差ないし、いっか。


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