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「は?」

何を言ってるのか分からなかった。目の前に座る男は教師で私は生徒でここは高校内の一室で。この状況で何を言われているのか、理解できなかった。


「俺んち来いよ。家賃と食費でチャラにしてやる」

「だからあんたとセックスしろって?」

「援交ってそういうもんだろ?」

「…馬鹿じゃないの」


真面目な顔でそう言ってのける銀八の顔面を殴ってやりたくなった。もしかして私のこと、からかってる?


「誰があんたみたいなモジャモジャと」

「はぁ!?ハゲたおっさんより天パでもふさふさな俺の方が良いだろ!?」

「生徒に援交誘うとか、本気でクビになりたいわけ?チクっていい?」

「うっせーそしたら俺もお前のことチクって退学だざまーみろ」

「サイテー」


あんなデブで脂っこいおっさん隣を歩くだけで悪臭が移りそうだとかブツブツ言ってる銀八を横目に鞄を持って立ち上がる。


「家、どこ」


しばらく住む場所にも困らなくて、気持ち悪いおっさんの相手もしなくていいならまぁまぁの好条件だと思った。それだけだ。


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