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うんともすんとも言わない私に痺れを切らしたのかなんで援交なんかしてんだ、とついにはっきり聞かれてしまい答えなければと口を動かす。
「…お金ないし」
「家は」
「ない、帰れない」
「親は」
「あんなのいないのと同じだから」
「だからって援交なんかする必要あんのか?その怪我もそん時やられたんじゃねーの?」
「…そう、だけど」
私が俯いたまま動かないのを銀八がどう思ったのかは分からない。長くため息を吐いて何かを考えるような仕草をしたかと思うと改めて私に向き直ってきた。
「なぁ、そんなに困ってんのか」
「じゃなきゃやんないよ。あんな気持ち悪い奴らと」
「…どうせ金貰いてェだけなら、俺にすれば?えんこー相手」
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