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「なんだ、ケーキが美味すぎて泣いてんの?」
「ち…ちが…っ」
ショートケーキを食べていたらふと、いつだかに同じような状況でこれで仲直りだと笑っていた銀八の顔を思い出してしまったからかもしれない。
「もう…っ、普通に、してもらえないかと思っ、て…私また酷いこと、言った、から…っ」
「んじゃ、いつだったかと同じだ。今回もこれで仲直りにしよーや」
そう言って私のショートケーキからてっぺんの苺をひょいと取って食べられた。子供扱いすんなと言いたいところだったけど今の私は誰が見ても子供みたいにみっともなく泣いているだけなので、今回は黙っておく。
あんなことがあった後なのに変わらずケーキは二つ、当たり前のように用意してあったし、準備室の鍵も開いていたことに何よりホッとしてしまったことも、黙っておこう。
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