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久々に入った国語準備室はやっぱり埃臭くて、たった一週間と少し空いただけで随分懐かしく感じた。


「ショートケーキだ」

「オイ、来ていきなりそれかよ。ったく、全部俺のだっつってんのによォ」


慣れた動きで冷蔵庫を開けるとショートケーキが二つ並んでいたのでそれを机に出して食べ始める。お腹減ってたし、やたらと美味しく感じるなあ。


「…泣くなよ」

「は…?」


自分も食べようと思ったのか、ソファに並んで座った銀八がこっちを向いたかと思うとため息を吐きながら言われた。びっくりして頬に手をやると少し濡れていて、さらに一つまた一つと雫がスカートに落ちて染みを作っている。


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