28*



「っあ、ん、痛っぁ」

「君は、さぁっ…ダメなんだよ、そんな顔、しちゃ…!」

「ぃ、痛い…っ!待って、ぁっ!」

「はぁっ、はっ、ねぇ…頼むからこれ以上失望させないでくれよ!」


ひたすら無茶苦茶に抱かれて、いつもみたいに優しい手つきじゃなくてそれは乱暴で荒々しかった。暴れれば頬や腹を殴られて、たくさん暴言を吐かれて、抵抗することも出来なかった。泣いて堪るかとこみ上げてくる涙を必死に飲み込んでただ全てが終わるのを待った。


「今さら君が周りの奴らと同じように人に大事にされるなんて、無理なこと分かるでしょ?賢いもんね?だからもう金輪際やめてくれよそんな、」


人並みに愛されてるヤツみたいな顔。


「もし本当に君がそう思うようなことがあったんだとしたらさぁ、それ勘違いだよ。君が誰かに普通の女として認められるわけないだろ?こんな薄汚れた人形誰が大事にするんだい」


馬鹿馬鹿しいと笑って、私の額に唇を寄せた男の目には嘲笑、軽蔑、憎悪が映っていた。

ああきっとこの人は誰にも愛されたことがないんだなと、自分と同じ環境であるはずの私がそうでなくなるのが恐いんだ。信じかけていた人間に見放されたかもしれないとそんなことを葛藤している私が憎くて仕方なかったんだ。


「そんな心配しなくても、もう見捨てられたっつーの…」


ひとりぼっちの部屋に吐き捨てるような私の声が響いた。


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