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「最近お金困ってないの?全然エッチさせてくれないね」
「ちゃんと会ってるじゃん。石垣さんとは」
「僕とはってことは他は?」
石垣さんは一回に結構な金額をくれる、所謂お得意様ってやつだ。なんかこんな言い方をするとお店みたいだな。いつもみたいにハゲたおっさんでもないし、少し面倒な性格をしているところを除けばまぁまぁ良い人。
「他なんていないよ」
「僕とだけ付き合ってくれればお金にも困らないのに」
私は付き合うとか付き合わないとかそういうことは一切考えていないけど、石垣さんは会うたびにしつこく迫ってくる。やっぱりお金を持っている人特有の嫌な自信は癪に触る。
「好きな人、いるから」
「相変わらず嘘つきだね」
好きな人なんて確かにいない。適当についた嘘ではあるけど、でもこの男は何を根拠にきっぱりと私の言葉を否定したのか。
君が純粋に人を好きになれるとは思えないなぁ、と可笑しそうに笑われて腹が立った。
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