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「意外と力あんのな」
さっきよりげっそりした白髪頭に言われる。うるさいお前が人のものを取るからだ。
「でもま、食ったからには仲直りっつーことで」
「なにそれ、子供扱い?」
「そりゃ俺から見りゃお前なんかガキンチョだからな」
「バカにすんな」
「痛っ!分かった分かったから殴るのやめてくれない!?」
正確には私は殴ってないし足で隣に座る奴の脛を蹴っているだけだけど、痛い痛いと喚く大の大人はとても情けなかった。
「寝る」
「担任の前で堂々とサボる宣言ですか」
「おやすみ、せんせ」
「ったく…一限終わったら起きろよ」
保健室に行く予定を潰されたわけだし、ここにも一応ソファはあるし、何より人に邪魔されないので絶好のサボりスポットだと思ったのだ。
ああそれから、思ったよりもこの担任は悪い奴ではないのかもしれない。
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