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「何お前、俺のことクビにしたいの?」


初めて入った時と何も変わらない物が散乱した汚い部屋のソファに座らされて、じっと目を見て言われた言葉にはどこか呆れが含まれている。


「別に」

「最近はそういうのうるせーんだから先生クビになっちゃうよ?ん?」

「へー、かわいそ」

「…あのなァ」


この三年間全然使っていないからそこそこ綺麗な上履きを見つめながら返事をしていると、痺れを切らしたようにため息を吐かれた。

だいたいの教師や大人はこれくらいやる気なく適当にあしらっていれば「こいつは何を言っても無駄だ」と見捨てていく。というかそうしてもらえた方が良い。誰にも期待されずに生きるのは存外、楽なものだから。


「この間は悪かったな。別に説教したくて呼んだわけじゃねェし、そんなツンケンすんなって」


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