18
自習と言い残されたからかクラス中がさっきよりも自由になってしまって騒がしさが倍増した。うるさいとかそういうレベルじゃなくて、殴り合いをしているのも目に入る。
「寝れないじゃん…」
せっかくムカつく担任が消えたというのにこれじゃ居眠りもできやしない。保健室でも行こうか、いっそ帰ろうか迷いながらもとりあえず鞄を持って教室を後にした。
「はい、捕まえた」
「う、わ…っ!」
とにかく手っ取り早く眠れるのは保健室だろう、と廊下を歩いていたら急に前を通った教室からヌッと手が伸びてきて引っ張られる。突然のことに驚きが隠せなくて心臓がばくばくとかなりの速度で脈打っている。
「よォ、さっきはやってくれたじゃねーのみょうじ」
私をこの埃臭い部屋に引き込んだであろう奴はにんまり笑った。ふと先ほど見た沖田の楽しそうな顔と重なって、嫌な予感がした。
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