DEAD and LOVE | ナノ
「おいおい最近は物騒だな」
「ニュースなんていいから早く昼ドラに変えるアル!」
「お前ちったァ世の中のことにも目を向けろよ全く」
「何大人振ってるアルか。銀ちゃんだっていつまで経っても毎週毎週ジャンプ買ってるくせに」
「バッカお前ジャンプはいいんだよ!大人になっても少年の心は忘れちゃいけねーの!」
「言い訳は聞きたくないネ。とっととチャンネル変えろよプー太郎」
最近巷で話題の女ばかりを狙う連続通り魔とやらが近所の河原で出たというなんとも物騒なニュースを見ていると、昼ドラが見たいと神楽がリビングにやって来た。もうお天気コーナーは終わったのでチャンネルを変えられて特に困ることはない。まあ今日の結野アナさえ見れりゃどうでもいいということだ。
「相変わらず依頼も来ねーし、パチンコでも行ってくらァ」
「ダメな大人の見本アル」
「うるせーな息抜きだ息抜き!」
そのまま帰ってくんなヨ、と昼ドラを見ながら後手に手を振られ、可愛くねーやつだと思いながら家を出た。
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「銀さんもうそれくらいにしときな」
「うるっせー!飲んでねーとやってられっか!」
「まぁたパチンコ負けたのかい」
「負けてねぇ!俺ァまだ負けちゃいねーよ!」
今日こそたんまり増やして帰ってやろうと張り切ってパチンコに挑んだもののやはりというかなんというか、いつも通り負けてしまった帰り、いつも通り屋台でやけ酒をしているわけだがそろそろ頭も回らなくなってきた(それに屋台のオヤジがもうやめとけとうるさい)為帰ろうと席を立った頃だ。
「結構飲んでんだから気をつけて帰んなよ」
「こんなもん飲んだ内に入らねーっつの!まあまた来るわ」
言った割には足元はおぼつかないが、これならギリギリ家までたどり着けるだろうとフラフラと歩く。喉が渇いたなとなんとなく近くの河原へ足を進めるがはて、この水飲めんのかと考え出したがどうにも頭が回らない。突如とんでもない吐き気が襲ってきてその場に座り込んだ。
「おえええ」
「だ、大丈夫ですか!」
「いや、全然大丈夫じゃない死ぬこれ今日こそは死ぬわ…」
「私お水買ってきます!」
「おえええ、いやいい、いいからちょっと肩貸してくんねぇ…?」
堪えきれずその場に吐いていると後ろから若い女の声が近づいてきて背中をさすられる。どうやらお人好しっぽい女は水を買いに行くと申し出てくれたが、もう家も近いので肩だけ借りてとっとと帰ろうと立ち上がると小さな身体が横から支えてくれた。
「あの、気分の悪いところごめんなさい、万事屋の坂田さんですよね?」
「おえっ、なに、知り合い?」
「いえ、知り合いというか…あ、とにかく万事屋の場所は分かるので安心して肩預けてくださいね!」
「悪ィな…」
女はどうやら俺のことを知っている様子で、万事屋の場所も分かるというので道案内の必要はないようだ。しかし夜も深くなってきた時間にこんな場所で女一人、何をしていたのだろうと上手く回らない頭で思ったが、今はとにかく家に帰って眠りたいという気持ちの方が強く、あまり気にしないことにした。
「ここですよね!」
数分後、やっとのことで万事屋についたらしい。普段なら5分ありゃ着く河原から、時々止まりながら千鳥足で歩いていたため10分も15分もかかってしまった気がする。酔っている頭なので時間が正確かどうかは分からないが。
「あ、銀さん!もう遅いですよ!って臭っ!また飲んでたでしょ!?」
「だああ!頭に響くから大声出すな馬鹿野郎!」
女が戸を開け玄関に入ると新八が大声でお出迎え。ご飯いらないなら言ってくださいよ、とため息を吐かれたが軽く謝りとりあえず俺は寝るので、送ってきてくれた女に茶でも一杯出してやってくれと声をかけておいた。
「はい?」
「だーから、この女に茶でも出してやってくれって!わざわざ送ってもらったのにそのまま帰すわけにいかねーだろ」
「あ、坂田さん私、」
「何言ってんですか、銀さん一人なのに。もう、酔ってるからって変なこと言わないで下さいよ。僕布団敷いてくるんで顔でも洗ってください」
「はぁ?」
「…坂田さん、私大丈夫なので帰りますね」
「帰るったってお前…この時間に危ねーだろ」
「えっとじゃああの、ついでにというかご依頼したいことがあるので朝まで居させてもらってもいいですか?」
「あー、別にいいけどだったらやっぱ新八に茶でも…」
「いや!それはいいので!」
訳のわからないことを言う新八に眉間に皺を寄せていたが、女はあまり気にしていない、というかむしろ新八を庇うように話を進めた。万事屋ってどんな依頼でも聞いてくれるんですよね?と不安そうな顔で尋ねてくるものだからおいおい面倒なことはやめてくれよと思いながらも万事屋だからな、と返すと安心したようにじゃあ待ってますと微笑まれる。
「…あーとりあえず俺、寝るわ。頭痛ぇ…」
「はい、おやすみなさい」
茶も出さずに朝まで一人、放っておいて良いのか少し迷ったが、さっきは変な様子だったものの新八がなんとかしてくれるだろうと寝床についた。
通り魔
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