「いやー、けっこうたまったなー。」



芸を終えて五年生たちと帰るところ












「帰りたいなぁ......。」








静かに町を見渡す。
あの華やかな江戸を思い出す。
決して綺麗ではないけれど、そんなところが好きだった。

私が芸をやってると、銀さんは微笑んでくれた
神楽ちゃんと新八くんははしゃいで
沖田は貯まる金額の予想をして
土方さんは仕事をしろと怒鳴りに来たと理由をつけて見に来てくれる。
近藤さんは頭を撫でてくれた。
お登勢さんたちはいつも見に来て、お客さんに私のことを話している。
妙ちゃんはすごいと手をたたいて見てくれた。
ホームレスたちはいつも私の芸を楽しみにしてくれていた。






それが当たり前だったから。







うるさい、騒がしい



それが

私の幸せだったから。










「天女様、帰りましょう?
じきに日が暮れます。」





いつの間にか

後ろに例の五人組は集まっていた。




「そうやね。

城崎昴ですって。」











この世界で


生き抜いて行くことに




精一杯になって



江戸に帰るために




必死になって










自分の居場所を作るのに




力を尽くしたい。


























尽くしたい。










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