「よろしく、おばちゃん」





裏のない笑みを
裏のある笑みで返された

先程の善法寺のような

恐怖を帯びた笑み。




「新しい天女様かい。

あたしなんか良いから皆と遊んできなさい。」




食堂のおばちゃんは、遠回しには
近付くなといっているようなものだった。


だがそんなものに気が付くはずがなく

昴はただひたすら表情を伺っていた




何が怖い

なにに怯えてるの





「あはは、自分の身をふまえれば
のこのこと遊んでられるようなもんでもないし

遊ぶより手伝えた方が嬉しいんです!

断られてもやりますからね!」



すると昴は黙々と皿を洗い始めた。


おばちゃんは仕事に関してはしっかりしていることに
少し安心したが
四人目もそうで途中から仕事が疎かになっていた奴だった事を思い出すと

緊迫した表情となった。











「伊作。」


ふと名前を呼ばれた。

僕を呼んだのは


「留さん......」



怒ってる。

さっきもずっと昴さんに殺気を送ってた。



「......気を付けろ。」



激しく怒られるのを承知していたけど

留さんはそれだけいって食器を片付けにいった。



僕は天女様に狂った留さんを知ってる。


怖かった。


天女様に興味がないといった僕を
すごく怖い顔で怒鳴ってきた。

目が覚めてからは、僕に頭をつけて謝っていたけど


すごく悔しそうだった。




でも、留さん...





昴さんは違うと思う。





ごめん、留さん









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