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ピスメのレシピ本を作るC実習編
2020/11/23 17:30
11/14【アユ姉の最後の飯】

鮎の塩焼き
……と考えていたが、なかったのでもう一つの候補だったイワシの丸干しに。
湖鮎。旬の美味しく新鮮なものを、という思いから。京は海がない為、琵琶湖などで獲れた淡水魚を食したと言われている(もしくは干魚や塩魚)。湖鮎は正式な品種ではなく、海に渡らず湖で一生を過ごす鮎をそう呼ぶ。

高野豆腐の味噌汁
いまいち確証がなかったので、今回は絹ごし豆腐で。
当時の高野豆腐は現代と違い、ぬるま湯で揉んだりする手間があるため、使い切っておくために乾物などを使ったのではないか。ほかの味噌汁に比べて実が小さい割に型崩れもないため麩か高野豆腐だと予想した。

里芋の含め煮
日常の食物をひと手間かけて作るご馳走。「日常」へ愛しさを込めて。包丁でむいた跡、淡い色味、さらりとした煮汁、この点から含め煮とした。日常食として流行していた『里芋煮ころがし』があるが、今回はそれとは別の料理。一緒に煮た蕨は通年食べられていた干し蕨(今回は水煮)。ゼンマイとも考えたが、ゼンマイは蕨に比べ乾物にするほどたくさん採れなかったそうなので、蕨にした。干し蕨は戻すのに手間がかかるため、こちらも使い切っておくために使用したと考えた。

沢庵
絵には見られなかったが、調理シーンで切っていたため、この日の香物は沢庵と考えた。



11/19【鉄之助のうどんと市村兄弟の蕎麦】

【京の蕎麦屋と斉藤、しっぽくと鉄之助】

鐵2話で鉄之助が斉藤と一緒に食べた麺類について考えてみたい。

当時のメニューがこちら。
かけ 16文
しっぽく 24文(色々な具材が乗っている)
あんぺい 24文(しっぽくの餡掛け)
けいらん 32文(たまごとじ)
小田巻 34文(しっぽくを卵で蒸したもの)

この話を語るのに欠かせないのが、もう一つの蕎麦屋でのシーン。鐵5話で、市村兄弟と山崎が一緒に食事をしている場面だ。
この二つを見比べてみると、器の厚さが違う。おそらく2話が平椀。5話が丼鉢。
江戸時代の文化や生活を記した『守貞漫稿』には、江戸では冷たい蕎麦は蒸籠に盛り、温かいものはみんな丼鉢に盛ったとある。対して京坂はかけは平皿に盛り、しっぽくからは平椀に盛るとある(小田巻は蒸すため磁器)。
このことから、斉藤にはお気に入りの江戸式蕎麦屋があったのではないかという仮説が立てられる。【占い師】を待つ辰之助が「ソバ屋で占いなんて」と言っているし、ここは蕎麦屋なのだろう。
江戸は蕎麦屋、京坂はうどん屋とはよく言うが、京坂に蕎麦屋が無いとは言われていない。大坂には当時【和泉屋】(通称【砂場】現在は東京にある)が蕎麦屋として営業していた例も実際にある。

しっぽくは現代では餡掛けになっているものもあるが、江戸時代ではしっぽくと言えばかけに具を乗せたもの。またそれに餡掛けしたものをあんぺいと言っていた。(また香川県の郷土料理しっぽくとも別物。)
具材も決まったものはないようだが、かまぼこ・椎茸・たまごやき・クワイなどが挙げられている。いわゆる五目のようなもの。
メニューにある通り、しっぽくはかけよりも値段が高い。保護者と一緒ではない鉄之助が、これ幸いとちょっと高めのしっぽくを頼んだのだったらなんとも可愛いらしい。
今回具材に絹さや・かまぼこ・むいた何か(クワイと想定する)が確認された。あとはここに、煮しめた椎茸と、個人的に食べて欲しいたまごやきを足した。
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