接種



病院の待合室にて


「ちょっと、なんで2人とも僕の方に寄ってくるんですか。わざわざ3人並んで座らなくても空席だらけでしょ」

「うっううるせーな!おおお俺は此処に座らなきゃならねぇッ、ききき決まりなんだよッ運命なんだよ!」

「私別に理由はないアル。でも昨日の夢枕に私のパピー出てきて、此処に座らないとパピー天国行けないって言ってたから座ってるだけネ」

「神楽ちゃんのお父さんまだ生きてるじゃん、昨日手紙来てたじゃん喜んでたじゃん」

「文句があんなら、てめぇが移動しろよ新八!」

「さっきから移動しようとしてるでしょ!?なのにアンタらがちょっかい出してくるから移動出来ないんだよ!」

「そうやって出来ないことを人の所為にするんじゃないヨ!!」

「誰この子!?」

「そうだ!お前坂田家代表として全員分の注射受けて来いよ!」

「なんで1人で3人分の予防接種受けなくちゃいけないんですか。聞いたことありませんよそんな話」

「お前何にも知らねぇからンなこと言えんだよ!今年の奴は去年とワケが違ぇ!!今年はすっげぇ痛いって噂なんだぞ?!」

「えぇ・・・?どれも一緒ですよ」

「そーやって余裕ぶっこいていられんのも今のうちだコノヤロー!」

「注射如きで大げさな・・・」

「そうヨ銀ちゃん、注射なんて爪の間に針が刺さるよりは痛くないアル」

「痛ッ!!それ痛ッ!!」

「てめぇ神楽!お前はどっちの味方なんだよ!」


『坂田さーん、ご家族の方も一緒にどうぞー』


「あ、はい!・・・ほら、行きますよ!」

「銀ちゃん早くするヨロシ。大人のくせにだらしないネ」

「そこまで言うんだったらてめぇが先に打ってもらえ神楽!」

「銀ちゃんは、でっかいお子様アルなぁ」

「黙って行け黙って!」









「・・・」

「・・・・・・」

「だっていきなり針刺してきたアル。正当防衛ヨ」

「おまッ・・・!?なに医者殴って気絶させてんのぉぉ?!!」

「思ったより痛かったネ、医者は患者の痛みを知ってこそ本物の医者に近づくアル」

「その前にてめぇは人を傷つけた心の痛みを知れェェ!!!」

「ちょッ、誰かお医者さん呼んでェェ!?!」


end...




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