「銀ちゃーん」

「何?」

「衣替えって何アル??」












季節の変わり目と、気温の上がり下がりが激しいこの時期。そろそろ冬物をしまって、春・夏物を出さなければならない。

いわゆる『衣替え』だ。


「色々変えるんだよ」

「ちょっと、それまとめ過ぎでしょ」

「銀ちゃんの天パも取り換えるアルか?!」


きゃっほォォ!!!と突然発狂しだした神楽。今のどこにそんな発狂するツボがあったのだろうか。


「ふざけんなテメェ!!!なんでいきなり天パ取り換え?!お前道行く人に衣替えの意味聞いて来い!!そして2度と帰ってくんな!!!」

「まぁまぁ、衣替えっていうのは季節が変わる時に、季節にあった服に取り換えるってことだよ」

「取り換えるアルか?」

「うん。たとえば夏服は冬の間着ないでしょ?だからタンスにしまっておく。逆に夏になったら冬服をしまって夏服を取り出す。こういうことだよ」

「ふーん」


懐かしそうに「僕が子どもの頃、姉上がやってくれてたよ。」と新八が笑った。


「そういえば、そろそろ衣替えしないいけませんね」

「まだ早いだろ。この前なんか4月下旬だってのに真冬並みの寒さになってたじゃねぇか。バカは風邪引かねぇっていうけど、バカでも風邪引くぞ」

「私の国ではバカは風邪引くって言うネ」

「なんで俺のこと見て言ってんのお前」

「でも天気予報だと、もう真冬並みの寒さにはならないって言ってますよ」


新八がそう言って銀時を促す。結局衣替えを始めることになった。











3人で銀時の寝室に向かい、ふすまを開けたりタンスの引き出しを開けたりして服をひっぱり出す。


「なんか古い匂いがする」

「あー、防虫剤の臭いかなぁ??」

「あの虫はどこから来るヨ??」

「外からだろ」

「いやまぁそうですけど・・・」

「銀ちゃん同じ服ばっかりネ」

「主人公は流行とかに踊らされないんだよ。硬派なんだよ」

「流行とかチャラついたものに興味ないネ。でもやっぱり同じじゃさみしいアル」

「お前3種類ぐらい持ってたじゃん。吉原行ったときだって着物着てただろ?」

「あれはレンタルしただけアル」

「んじゃテメェで稼げ」

「嫌アル。バイトなんてしたら変な虫がくっついてくるもん」

「大丈夫だ。お前についてくんのはハゲ散らかったおっさんぐらいだ」

「それパピーの事か?パピーの事アルか?!」


新八に言われたように、冬に着物の上に着てた上着を奥にしまう。引き出しが狭く、しまうのに少し苦労していた。


「だいたいなぁ、今世の中は不景気なんだよ。どこ行っても簡単に雇ってくれねぇの」

「じゃあなんで銀ちゃんは私と新八を雇ったネ?」

「お前らが勝手に着いて来たんだろ?」

「そんな言い方ヒドいですよ銀さん。アンタ1人じゃ家のこと何にも出来ない癖に」


銀時達が衣替えをしている間、ジャンプや酢コンブの空箱を掃除し始める新八。


「できないんじゃねぇ。やらねぇだけだ」

「結局やらねぇじゃんかよ!」


銀時の言い訳に新八の顔に青筋が浮かぶ。


「お前の仕事がなくなると思ってオレはやらねぇんだよ」

「何その異国の考え方!?っていうか、僕は家事手伝いをしにここに着てるんじゃないですからね!!」

「小さい仕事出来ねぇ奴に大きな仕事任せられねぇだろ」

「大きな仕事来たことないアル。CMのセリフ我が物顔で使ってんなヨ」

「良いんだよ。俺流にアレンジしたから俺のだ」


バカ言ってないでくださいよ。という新八に、「社長に向かってバカとはなんだてめぇ!!」と売り言葉に買い言葉な言い合いはしばらく続いていた。







その後新八は部屋の掃除を終え、ゴミを出したあと寝室に戻ってみると、タンスの中身が何も変わっていないのが見えた。


「ちょっと、ちゃんと衣替えしてくださいよ」

「だってよー、新八ぃ」

「なんですか?」

「衣替えっていうか・・・替える衣がねぇじゃん。俺ら・・・」

「・・・確かに」

「無意味アル」




end...















「なんだったんだよ今日の午前中は」

「まぁ、タンスがキレイになったってことで・・・」

「何も変わってないアル」


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