「くらえぃ怪人ミドリーク!」
「ぐほおっ」
「ばうあうばうあう!こえどもこえどもヒーローやるー!」
「ぶっはっはっはっは!よっしゃあこいワンコ戦士!わいを倒してみい!」
「くたばれツタやろう!」
「っておまっ!リリじゃのうて江戸っ子や江戸っ…だあああああああ!」
庭では輝く夕日を背に、卯ノ花と小江戸の正義のヒーローズが悪の怪人ミドリーク(予蔦)と戦っている。と思いきや謎の戦士莉々の飛び蹴り乱入でとんでもないことになっている。憐れミドリーク。
しかし今日も1日平和だったなぁ。
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深夜、ふと目が覚めた。何故かやけに覚醒してしまった頭にどうしたもんかと思い、とりあえず布団を被ってみた。しかし被ったは良いがやっぱりこのままでは到底眠れそうにない。
眠れない時はホットミルクが良い。と思う。勝手なイメージだけれど。だって映画や少女漫画でそう言うシーンあるじゃない?
ベッドから足をおろすと床のひんやりとした冷たさが身をふるわせる。ちょっと寒い気もするけど面倒だし温かいものを飲みに行くんだしで、素足のままで上着だけ羽織り部屋を出た。
階段をおりるとリビングから微かな光と音が漏れていた。誰だろう?一瞬夜行性の卍唐が頭に浮かびはしたが、彼女がテレビに興味を持つとは考えにくい。他には…定正?定正も眠れなかったりしてしょうがないからテレビを観てる…とか?それならば納得出来る。
何を観てるのだろうか。お腹ブルブルな通販番組?それともうちにあるDVD…まさかエッチなテレビとか…!
少しどきどきしながらドアの隙間から覗くとテレビに向かうソファーには…
「…誰?」
背もたれで見えないが決して短くはない髪をした人物が身動ぎ一つせずテレビに向かっていた。
「‥‥莉子、ちゃん?」
「…うの!?」
振り向いた人物はトレードマークのツインテールをおろした卯ノ花だった。
「どうしたの?こんな時間にテレビとか、って言うか明かりつければ?目ぇ悪くするよ?」