少し開いた窓から心地よい風が流れてくる涼しい初夏の夜。そろそろ寝ようかと枕元のライトに手を伸ばした、ちょうどその時だった。
「センセ!」
ガチャン!と少し乱暴に部屋の扉が開いたかと思えば、そこにいたのは原型の沾々の尻尾をむんずと掴んで引き摺ってきた莉々だった。
「センセ!ちょっとイイか!?」
部屋の入口で兄のシャワーズを片手に仁王立ちするツインテールの少女。うーんシュールだ。
「い、良いけどどうしたの?」
用が何なのかさっぱり検討がつかないが取り敢えずおいでおいでをする。その合図に莉々の周りにお花が咲き乱れた。兄を掴んでいた右手はそれを私のベッドに放り投げ、自身もベッドへダイブ。
「ぷぎゅっ」
「うひゃっ!」