たまたま通りかかった廊下で、たまたま曲がり角で鉢合わせた女子とたまたまぶつかって、たまたま女子生徒は尻餅をついた。たまたま、偶然の連続。その偶然の積み重ねが結果として女子生徒のパンツが見えてしまった。不可抗力だ僕は悪くない


「み 見ましたか…?」


倒れた女子生徒は跳ね上がりスカートの裾を握りしめた。よっぽど恥ずかしかったのか半泣きだ。だけど僕には見える。僕は透視能力があったのだろうそのスカートの下のパンツがよく見える


「見えたよ」


見えてるよ、と言おうとしてやめた。女子生徒はお願いします忘れてくださいを無限に繰り返していたけど僕には無理なお願いだと思った。あれは何だ?女子生徒の脚の間から見えたあのパンツ。見間違えでなければあれは男性用の形、いわゆるボクサーパンツだ。なぜ女子が?でも柄はそれとなく可愛かったから女子…。いやいやいやされどボクサーパンツ。一体どうゆう趣味してんのこの子。女子ってレースとか紐とかそんなパンツじゃないの


「君 変わってるね」

「いえ今日はほんと全く気を使っていない日でして人様に見られるとわかっていればもっとましな下着を穿いていたと思います」


女子生徒は一度も息継ぎをぜずに言い切った。勢いがすごい。どうしてそんなに勢いよく喋れるんだこの僕に向かって。草壁でもそんな勢いないよ


「まさか…」


わかった。いまだに泣きそうな顔をしてもの凄い勢いでなにかを弁解している女子生徒の秘密。下着、ボクサー、類い稀なる勢い。謎は解けた


「勝負下着とゆうやつだね」


間髪入れず頬を叩かれた


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