「いい?変なことされそうになったら 目を狙いなさい」


銀河の肩に手を置いて、本気と書いてマジな姉。変なことってなんじゃ


「雅治 分かってると思うけど銀河に万が一の事があったらあんた 死刑だからね」

「はいはい」


さっさと行け。俺と姉ちゃんの顔を見上げる銀河を抱き上げて、追い払うような仕草をすれば姉ちゃんは俺の脛を蹴りあげて銀河にキスをした。本当に危険な時はこんな感じで殺ってやりな。物騒な言葉をのこした母の背中を、銀河はオロオロしながら見送った



「加減を知らんのぉ…」


くまの人形を抱き締めた銀河の髪を撫でると、くすぐったそうに目を細めた。猫みたいなその仕草がかわいくて何度も頭を撫でると、グッと歯を噛み締めた。何?どーしたの


「銀河?」

「おに ちゃ」

「ん なんじゃ」


くまの頭に額を擦り付けた銀河は、かくんと顔を上げた。目にはうっすら涙がたまっている。え、え、なんで?なんかした?銀河を抱え直して、あやすつもりでゆらゆら揺する。銀河は大きな口を開けて欠伸をした


「…眠いんか?」

「む…」

「あーよかよか。ご飯の時間になったら起こすき 今は寝ときんしゃい」


しまった、と口を隠した銀河に苦笑い。頭を撫でるとまた眠そうに目を細めた。ああ可愛い。すっかり寄りかかった銀河を抱えたままソファに座れば、腕の中の銀河が身動いた。動く銀河も可愛いが、寝てる銀河も可愛い。銀河が触れているところから温かくなる。銀河の髪をすいて目を閉じた


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