｢おさよう 光｣

｢おはようさん｣

｢え…？｣

｢なんやそのアホ面｣


いやいやだって光があたしに挨拶を返すなんてこと、実は生まれて初めてじゃん？相変わらず敬語じゃなかったけどね、でもこれってかなりの進歩だよ光くん


｢銀河さん またしょうもないこと考えてるやろ｣

｢またって あたしがしょっちゅうしょうもないみたいな言い方やめてよ｣

｢しょうもなくない時ないやん｣

｢しょうもなくない？ちょっとまって それって結局しょうもないって事？やだ わかんない｣

｢しょうもな｣


やっぱり所詮は財前光だよね。君はツンしてなんぼの人間なんだもの、そのスタイルを貫き通してこそ財前光のアイデンティティーは守られるよ、うん


｢だって光があたしに挨拶するの 奇跡に近いってか奇跡じゃん｣

｢俺どんだけ愛想ないねん｣

｢え 愛想あると思ってんの？｣

｢銀河さん限定で｣

｢……………｣

｢…なんやねん｣

｢みなさーん！あの財前光がデレてますよーあの財前光がー！｣

｢やかましい。あの財前光てどの財前光やねんアホ｣

｢あ 元に戻った｣


デレた財前光は幻覚だったみたい。光に限ってデレるなんてこと無いよねー。だって挨拶まともに返したこともない後輩ですものね、仕方ない。いや、嫌味じゃないよ光。ただ光はやはり光であり光以上でもなければ光以下でもない、つまりツンだってこと。ほらーそんな嫌そうな顔しないで。誉めてんだからさ


｢あんたホンマ馬鹿やな｣

｢え 関西人は馬鹿って言わないんじゃないの？｣

｢死ね馬鹿｣

｢い いつもに増してツンツン…｣


まあそんな君がかわいいよ