serial | ナノ
ボスはいったいどこで彼女の存在を知ったのか。そして、なぜ彼女がこちらの世界に足を踏み入れてしまったのか。二十年近くもの間、裏世界に一切の関わりを持つことなく生きていたはずなのに。
彼女もスタンド能力者だった。いとこという間柄にある彼女――なまえとは、十年以上は音信不通としていた。もし接触があれば、こちら側になんらかの関係性が生じてしまう可能性をリゾットは恐れたからだ。自分が歩んでいる道に少しでも触れてはならない。命尽きるまで、どうか一般の市民として過ごしてほしい。それはリゾットが強く願っていたこと……。しかし、その願いは叶わなかった。

「……ボス、あんたは一体なにを考えてる」

暗闇の部屋は、目の前のデスクトップの光だけが生きている。
画面に羅列する文字をリゾットは何度も読み返していた。それは、なまえの暗殺チームへの所属決定の旨だった。恐らくボスはなんらかのルートでなまえの存在を知り、彼女のスタンド能力が暗殺に向いているという理由で所属を決定としたのだろう。リゾット個人との関係もバレていると判断できる。
これが送られてきた日から、リゾットは暇があればその文章に目を通している。本当にボスの手で記されたものかも疑わしい文章。こんなもの、夢であればいい、嘘であればいいなどと……考えるだけ、無駄なことなのはわかっている。
これを受信したのは二週間前であり、その一週間後には、すでになまえは暗殺チームに加わっていた。
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