serial | ナノ 触れようと手を伸ばせば、爪をふりかざして歯をたて、呻き声を上げる。まるで、獣のようだ。――否、獣なのだ。
それは、果てしない道を駆け抜けて、駆け抜けて……駆け抜けた先に一体なにがあるのかを知らずとも、足を止めずに駆け抜ける。
そしてそれが、足跡を残してきた道を振り返ることなく顧みることもなく進むのだとしたら、……どれほど勇ましいことか。
――獣は考える。
どうしたら、前に進めるか。駆け抜けた先のさらに先を目指して進むとしたら、どのようにしてこの足を運んでいったらよいのか、と。
――獣は考える。
そんなことは、一歩を踏み出して少しずつ前進していかないとわからない、と。まずは、足跡がくっきりと残された今まで駆けてきた道を、崩さなければならなかった。
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