serial | ナノ 今日も変わらずいい天気だ。そして六年生たちも変わらず朝からいい元気なのだろう。
スパン、と教室の扉を開けて、
「おはよう、諸君」
「おはようなまえー!」
「小平太……笑顔はよし。けど、先生の私を呼び捨てにするなとあれほど言ってるでしょう、せめてなにか付けなさい」
「おはようなまえちゃん!」
「なぜ“ちゃん”なの」
そこで文次郎が。
「なまえちゃん、今日は色事の術を教えてくれるんだったろ? はやく教えろ」
「んなこと誰も教えねえよ! ごほん、文次郎くん? もっと私に対して敬いの気持ちはないのかしら?」
「ねえよ」
「こ、このガキ……」
「だってなまえだし。なあ、皆」
「うんうん、いけいけどんどんでなまえだし!」
「そうだな、なまえだし」
「そうだねぇ」
「もそもそ」
なぜか肩をすくめて呆れたように言った文次郎に続いて、小平太、留三郎、伊作、長次、皆で頭を縦に振っていた。呆れたいのはこちらだ。しかしなまえはいつものように諦める。
「ハイもういいっす。ハイでは出席を取る。皆いるね。ではさっそく授業を始めます」
毎朝だいたい同じような会話をさせられるので慣れきった様子さっさと話を進めた。
「えーと、今日は何ページだったかな」
教科書をぺらぺらとめくる。
「先生」
「お。なんだ、仙蔵」
「先生に教えてもらいたいことがあるんですが。皆も知りたいそうです」
「おお、言ってごらん」
かなしかな、先生としてつくづくうれしいことを言ってくれるのはこの仙蔵だけ。ぐすん。

「先生のスリーサイズ教えてください」
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