むかし、むかーし、
あるところに
メガネくんとお姫様がいました。
メガネくんは、しいて言うならばメガネをかけた男の子。
お姫様は、それはそれは美しく、たくさんの男の子にもてはやされ、街の中では人気者で、それから
「あのー、何なんですか、この前書き。僕にたいする嫌がらせか何かですか。メガネを侮辱してるんですか、コレ。」
メガネくんこと、新八は(ちなみに彼は新一にはなれなかったので新八になったのです)怪訝そうな目をあたしに向けている。
ちなみにあたしは、お姫様の設定です。もちろん。
「‥‥いや、だから何なんですか、さっきから。それに僕、新一になれなかったから新八なわけじゃないですから。」
「えーだって、神楽ちゃん言ってたよ!そんなんだから、いつまでたっても新一じゃなくて新八アル!って。」
「意味わかんないんですけど」
神楽ちゃんのモノマネも交えてみたけれど、新八くんには効果はなかったようだ。
「っていうか、さっきから何言ってんですか、ぶつぶつと!」
「いえ、ノーセンキュー!」
「‥‥もう何か会話成立してないんだけどォォ!!」
これだからメガネは好きになれないのだ。
空気は読めない、女心がわからない、アイドルオタクだったり、メガネなんてメガネなんて‥!
「さっきから、偏見ですよね!!そうですよね!?メガネなめんなよ!」
あれ、銀ちゃんに神楽ちゃんだ。お買い物から帰ってきたのかな。
「言っておくけどね、メガネメガネってみんな言うけど好きでメガネしてるんじゃないんですよ!!」
あ、ふたりともあたしの存在に気づいてくれたみたいだ。
神楽ちゃんが嬉しそうに歩み寄ってくる。
「真央アルー!どうしたアルか、今日は遊びに来たネ?」
「おうおう、テメーら仲良くやってんじゃねェか。」
「銀ちゃん神楽ちゃん、おかえり。お邪魔してるよー」
「‥‥‥って!!聞けよォォォォ!!!」
あたしたちが軽いやりとりをしていると、新八くんが大きな声をだしたせいかゼーハー言って肩で大きく呼吸をしていた。
「オイオイ、どうした新八くん。だいぶ荒れてんじゃねェか。」
「そうよ、新八くん。あんまりカッカッすると血圧あがるよ?」
「お前のせいだろォォがァア!!」
メガネくんは、どうも血が昇りやすいようだ。まぁ、あたしが昇らせてんだけどね、えへ。
「確信犯じゃねェか!!何が、えへ、だ!!」
「新八うるさいネ。私と真央は、これから仲良く遊ぶアル!邪魔すんなヨ、ダメガネ。」
「‥‥‥‥」
「ぱっつぁん‥」
銀時は静かに呟き、新八の肩に軽くポンポンと慰めるように手を乗せた。
「‥あの、銀さん。何ですか、その哀れんだ目は‥‥」
「いや、銀さん応援してるからねガンバレ新八くんはっはっはー!」
「‥‥(ものっそい棒読みなんスけど)」
それでも、銀さん応援してるからね、正義の味方だからね、とか何とか言い続けている。
「‥‥新八くん!」
さっきまでメガネくんを侮辱し続けてきたお姫様が声をあげた。
「今度は何ですか?もう、真央さんの嫌がらせには慣れましたから」
「‥‥‥‥あのさァ‥‥!」
打って変わって態度が変わった真央の姿をみて、新八は怪訝な顔をした。
「真央さん?」
「‥‥‥ッ」
「どうしました?」
そうだよ、新八くんはメガネなんだよ。新八=メガネという公式すら成り立つんだよ。
ええ、そうですよ、メガネなんですよ。新八くんはメガネなんですよ。
「メガネなんてクソ喰らえじゃァアァァア!!!」
メガネなんか兵器じゃァアぼけがァア!!
「おィィィィ!!真央さんんん!一体僕のメガネひとつだけに、どれだけ食いつくんだァア!!」
「新八くんメガネとれよ。目障りなんだよアンチキショーめ」
「なッ‥!(キャラ変わってんですけどォォ)」
メガネくんのことなどお構いなしにお姫様は、メガネくんに言葉を投げかけ続けた。
それに対抗する気力を失ったのか、メガネくんは大きなため息をついた。
「真央さん、もういい加減に仲良くしましょうよ。」
「ダメガネ!」
「なッ‥!ほんと真央さんはガキだ。好きな子ほどイジメたくなるなんていう小学生じゃないんですからね?」
にっこり笑ったメガネくんをよそにお姫様さんは、かるーく顔面にパンチをくらわせたのだ。
「ふごっ‥ん!何すんですかアンタァァア!!しかも、かるーくじゃねーだろがァア!」
「うるさいっての!メガネ壊すわよダメガネ!!」
むかしむかーし
あのところに、
メガネくんとお姫様がいました。
彼は、メガネを侮辱され続ける毎日を送っていましたとさ。
めでたし、めでたし!
めでたくねェだろがァァア!!
新八くんとメガネ
(好きな人ほどイジメたくなるっていうけどよォ、イジメ過ぎはよくねェぞー真央ちゃんよォ。まぁ所詮メガネだ)
(新八とか趣味悪いネ)
(アンタら、さりげなくひどいこと言ってるよね)
(な、好きじゃないわよ‥!こんな本体がメガネな男!)
(いい加減にしろォォォ!!)
▼ツンデレ女ということにしておきたいです(笑)
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