これまで、
不思議と言っていいほどに男運がない。

というか、長続きということすらしないのだ。
そんなあたしは今年で23歳を迎える。


まあ何だかんだで周りには恵まれているのだけれど。







「うち、来ないの?」


臨也は、毎日当たり前にきてるのに‥みたいな誤解を抱くような笑みと言葉をもらした。



「行かないよ。」

「ふーん」

「‥‥‥何よ」



何なのよ、この空気。
しかも、じーっと顔みられてるんだけど。



「そうか、これから一人で泣き寝入りするわけか。」





こっ、この‥‥男!!
乙女心というものがわからないのか。それとも、嫌味のつもりなのか。

それより、ここは、普通なら「大丈夫、元気だしなよ」とか「オレが話し聞いてやるよ」とかないんですか!臨也くんよお!




「俺は優しい言葉は、かけるつもりないからね」

「ん、なっ‥!」

「図星だったか」


真央は、心を読まれていたことに大きく動揺した。
それをみた臨也は楽しそうだ。


「まぁ君だけが特別じゃないからさ、ごめんね」

「‥‥はぁ、頭痛いわ。」

「俺は人間という人間をカテゴリーごと愛してるからね」

「ハイハイ。それは高校から嫌なくらい知ってましたよ」



そう、この人とあたしは高校にあがったと同時に出会った。
それから卒業してからは隣の部屋に引っ越してくるわで、中々の腐れ縁のようだ。

まあ正直なとこ、彼のおかしな性格と歪んだ愛には慣れてしまったみたい。




「波江さんが可哀想な真央のために美味しい手料理でも作ってくれるかもね」

「うっ‥‥可哀想は余計。」

「来ないの?」

「いっ行くよ!波江さんには会いたいもん」



彼はそうこなくっちゃ、と言わんばかりの笑顔を浮かべた。