「とーしろー!」



いつも、いつも、
あたしはあなたの背中を追い掛けていた。



「とーしろー!あたし、とーしろーだいすきだよ!えへへ」


叶うはずもないそんな恋心をずっと抱きながら、
あたしはそれでもあなたの目に映るように必死で追い掛け続けた。



「とーしろー?ずっとあたしがそばにいる、だから大丈夫だよ!ねっ?」


いちばん近くにいたあなたは、いちばん近くにいた人に恋をしていた。

あたしは、気づいていた。




それでも、あたしには
あなたの背中しかみえなかった。




この恋の行方を

(あたしは、きっと知っていたのだ)


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