おはよう

こんにちは

おやすみ

きっと誰もが
そんな当たり前の言葉を
明日も伝えられる
なんて思ってるんだろう。




だけど、

春は桜が咲いて

散って、

夏には緑一色になって

色を染めて、

秋には綺麗な紅葉になって

枯れてゆき、

冬には芽を生やした。



なのに、

どうして

あなたは隣にいないの?













「静雄!見てみて!」

「あァ?」

「桜の蕾!可愛いねっ」




もう、あなたには
触れることも
抱きしめることも
許されなくなって




「春になったら、また咲くんだよね!」

「‥‥」

「楽しみだね」

「真央、」

「へっ?」



あなたに声が届くのなら
返事をしてください



ねえ お願い‥



「毎年、こうやって一緒にいような」




もしも 願いが届くなら

ねえ もう二度と離れぬように

強く 強く 抱きしめて












「まさか、あいつがな‥」

「池袋最強の男だとよ」

「真央ちゃんも、気の毒にな‥」


どんなに想っても
泣いても
傷ついても
苦しんでも

もう戻れないのなら
出逢わなければよかったの?

‥愛さなければよかった?






「真央ちゃん‥」

「‥‥か、幽。」



ねえ 静雄、

わからないよ

まだその答えがわからなくて

探しているよ




「兄さん、幸せだったよ」

「うん‥」

「真央ちゃんの泣き顔は、きっとみたくないと思う」



あたしは、まだ

この悲しみに立ち竦んで

時間は止まったまま

前に進めていない。




「はは‥、かもね」

「ほら、みて、‥‥蕾」




ねえ 静雄

みて、蕾が咲いたよ

また春が来たんだよ





「兄さんは、大丈夫、ちゃんとそばにいるから」

「‥‥幽、」

「真央ちゃん‥‥笑ってあげて?」



どんな苦しみにも超えていくための時間が用意されてるように、

きっと超えていける心も、用意されているんだろうね。





ねえ、静雄

隣にあなたはいないけど

あたしは一歩ずつ歩き出すよ





「真央ちゃんのこと、
本当に愛してたよ。兄さんは」


だって ほら
こんなに輝いているの





――幽の差し出す小さなリングが光を照らし輝きだした。






「っ‥‥へへっ」





(‥‥ありがとう)

言えなかった言葉、

今あなたに送るよ




ねえ お願い

これからもずっと

どうか私の心の

そばにいて、


もしも、君に届くのなら

(ねえ お願い
もう二度と離れぬように
強く 抱きしめてよ、)












▼初の死ネタでした;)
とりあえずこんなん書いてみたくて
ちょいちょいJUJUの願いをイメージして書いたんですよね。

お粗末様でした(´・ω・`)!


20110214
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