「オメーらよォ、部活内恋愛禁止ってルール知ってんのか?」


一秒とて離れたくない心でいる私たちの、休憩時間ぐらい二人の世界でいさせろ!という確固たる思いから、休憩時間にひたすらイチャイチャしてたらついにコータローから苦言が出た。部活内恋愛禁止?今時なにそれ?


「知らないな」
「初めて聞いたよ」
「あたぼーよ!今作ったからな!」


ビシィ!と櫛で髪を整えながらのキメポーズ。部室に隙間風が吹く。


「コータローのそういうとこ本当バカだと思うの」
「フー、だいたいそんな掟、自分の首を絞めるだけじゃないか?コータロー」
「えっ?俺の首ってなに、どういうこと?」
「だからそういうとこバカだっつってんの」
「同感だな」


本当オメーら可愛くねーよとか意味不明な毒を吐きながらコータローは頭を抱えて妙な踊りを繰り広げている。ジュリはよくこんな男に付き合ってられるなあと思う。恋人でも無いのに。まあほっとけない感じはわからなくもない…かも。

考察しているといきなり傍らでギターが鳴ったので肩を震わせた。


「ビックリしたあ」
「コータローばかり見過ぎだ、名前」
「隼人の嫉妬ってCm7で表されるのね…」
「わっかんねー!」
「バカコータローこっち見んなー」
「なにおう」
「僕を置いて臨戦体勢に入るのはやめてもらおうか」
「だからオメーの沸点とかキレどころがよくわかんねえ」
「まだまだね、コータロー」
「まだっつーかこの先理解したくもねーけどよ!」


わあわあ騒いでいたらジュリが部室に入ってきた。誰が一番バカだと思う?と聞いたらアメフト部にはバカしかいないでしょ、私含め。という鮮やかな答えをいただいた。かっこよすぎる!