逃げようとすると足首を掴まれ、べちゃりと音をたてて畳に倒れる。
起き上がろうと腕を突っ張っても背中をぐいぐい掌で押されてまた畳に体が戻ってしまった。

なんだ、この状況は。


「無駄な抵抗だな」
「む、胸が…胸が潰れる…!」
「潰れるほど大した大きさじゃないだろ」
「なんて奴だ!」
「少なくとも私はそう感じたけど」
「わー!わー!」
「まぁ落ち着け、大丈夫大丈夫」
「なにが大丈夫なの!」
「愛は全てを凌駕するんだ」
「意味わかんないよ」


凌駕する前に離して頂きたい。
まるで害虫のようにずりずり四肢を動かしても敵わない。無様なだけだ。

突如、ぎり、と制服が肩から無理矢理引っ張られた。布の裂ける音と血の気の引く音は似すぎていて笑えない。
その内に黒い下布も肩から下げられて、羞恥なんかよりも呆然としてしまった。

お、犯される!

背中に唇の感触。


「大丈夫だからさ」


根拠のないこと言うな、馬鹿!