「いやだやだやだ!」


何故こんな事になったのか?


「離れろ!」
「いや!」
「暑い!」
「やぁ!」


廊下を歩いていたら突然背中に衝撃を感じた。
なんだと思ったら、熱の塊が離れなくなった。

………即ち彼女が背中に張り付いてる訳で。

何が何だかわからないが恥ずかしさといったら、もう!

文次郎がいくら体を捻っても声を張り上げても彼女は離れなかった。


「なんなんだよ まったく…」
「……………」
「課題でも出たのか。忍たま捕まえろ、とか」
「……………」


返事が無い。

元はそんなに強情じゃない筈なのに。

まさか、俺、何かしたのか?


「すいませんでした」
「………なんで謝るの」
「あ、違ぇのか」
「文次郎」
「んだよ」



こちらから背中は見えない。


「凄い好き、好き過ぎて止まんなかった」



………。

まぁ、しばらくはこのままで。