「やった!名前先輩ゲット!!」
「…兵太夫、また君か……」


呆れ顔で穴から自分を見上げる先輩
見事からくりに引っ掛かった訳ですが


「何だか気持ちが良いですねー」
「……それは私を見下ろしてるから?」
「はい」
「即答か!」


いいから出せ!
手を貸せ!

わめく先輩
女なのに男みたいな物の言い方


「全くとんでもないな…」
「でも僕が居たから出られて良かったですね」
「君が居なきゃ落ちる事も無かったろうよ」


ばちん、デコピン
痛がる自分を見て「やれやれ」呆れた笑顔

先輩は素敵だ


「名前先輩可愛い」
「………は?」
「わぁー真っ赤!」
「うるさい!!」


もう知らん!って
居なくなっちゃうの?
つまんないなー


「無差別な仕掛けは止めろよ」
「名前先輩」


何だ、と振り向く先輩にもう一遊び


「僕のモノになりません?」
「馬鹿」


走り去った
行ってしまった

赤い赤い顔で


(僕は知ってる)


先輩の顔が赤いのは嬉しい時だってこと