お前が死んでも私が死ぬことはできない。それを現行しているこの状況はなんだ、馬鹿馬鹿しいの一言に尽きる。嘘でもいいから言ってやれば良かったのか、嘘は嫌いだがそれでもお前の為ならきっと、死ねるなどと簡単に口にすることも可能だった筈だ。今となっては果たしてお前を本当に愛していたのかそれとも愛するという姿勢にただ満足していたのかすらはかりかねる私だったが日々後悔は絶えない。咳き込んでいた白い顔に手を添えたばかりだったのに、そうだ、あのときはまだ温もりがあった。薬を貰いに行って、間もなく。すぐくっついてこないでよとお前は言った。どこに出かけるでも一緒で、だからこそ。踏ん切りがつく筈もないだろう。…だってお前は全然帰ってきやしない。最初っからいなかったことに出来たら楽だろうな、お前が生活の中から消えても胸中の歪みは多々あれどいっそ悲しいぐらい支障なんざなくて、いつも通り起きて飯食って授業受けていつも通り委員会で馬鹿騒ぎしていつも通り空は青かった。そう、雲が速く流れて雨がまばらにやってきて、それから漸く感傷に浸ることが出来る。愛なんて結局、動物には無理だろ。