棚の中を漁ってたら、昔のあいうえお作文が出てきたのでちょっと晒す。特に何も意識してなかったのに盗賊っぽくて面白かったので、修正なしで晒してみます…(笑)




「忘れてたものを思い出したら、どうする?」
「凄く大事なものなら取りに帰る。それ以外はパス。」
「楽な人生歩めるなら、歩みたい?」
「ルールから外れた生き方は、好みじゃないな。」
「ルール?なんの?」
「身を裂かれる思いをしても信念のまま生きていく、それが人生のルールってもんだろ。」
「おお、くっさいこと言うねえ。」
「馬鹿、事実だよ、ジジツ。」
「お前がそう思うならそれで良いじゃん。そうだろ?別に否定はしないぜ?」
「勿論。ま、否定なんてさせないけどな。」
「はいはい、そういう奴だよな、お前。」
「ずっと一緒にいるんだから、わかってただろ。」
「……ちっ、やーなヤツ。流石俺の親友。類友?」
「悲しいけど否定しない。出来ない、とも言う。」
「ひっでぇ。俺結構良い人だと思うけど。じゃなきゃ人生相談に乗ったりなんかしないって。」
「適材適所って言葉、知ってるか。」
「知ってる。おや、褒めて下さっているのかな?」
「ひっでぇ。お前の頭が。」
「とか言っちゃって、実は褒めてくれたんだろ?いやー、嬉しいなー。」
「能天気な奴。」
「良いじゃんか、能天気で。」
「暢気でもある。」
「違う違う。そこは暢気じゃなくて、マイペースと言ってくれ。」
「暢気とマイペースは全くの別物だと思うぞ?」
「同じだって、多分。」
「しかも多分かよ。もう馬鹿でいいんじゃないか?」
「クジラとどっちが賢いと思う?」
「最早比べるまでもない。つかクジラに失礼だろ。」
「あっれー、え、そっち?俺じゃないの?類友だろ?俺達。」
「類友?いつ友達になったっけ?」
「かなり前からだっつの。これからも長くなりそうだけどな。」
「長いだろうな、絶対。」






「激しく寒い。鼻提灯出来んじゃね。」
「ルックス良い奴の鼻提灯とか、マジ爆笑モンだな。死ぬ、寒い。」

のそのそ歩く様は傍から見たら絶対面白いと思ったけど、今はそれどころじゃない。
夜の気温の下がり方は異常で制服にマフラーという恰好の俺達は凍えるしかなかった。
残された希望であるカイロは、すでにポケットの中で熱を失いつつあった。

「ゆ、由々しき事態……!ああ、駄目だ、俺もう眠い。」
「目を開けろ!死ぬぞ!」

馬鹿みたいな会話でさえ今は大切な熱獲得源だ。
カタカタ震える身体を容赦なく冬将軍が襲ってくる。寒い、馬鹿みたいに寒い。

「リーマンショックで経済も冬真っ盛りなのに…。」
「なーに賢ぶってんだ。」
「ルックス良い奴に言われたくないね。」
「大差ない顔してるくせに。」
「まあな。」
「食えない奴!」

ライトアップされ始めた町はきらきら光っていて、目に眩く映った。
荷物が重くて肩に掛け直す。はあ、と大きな溜め息が思わず零れた。
悲しいかな、この重みこそが学生の使命。
一人ごちて隣を見るとあいつも似た表情で溜め息をついていた。伝染したのだろうか。
何だかんだでつき合いの長いこいつは俺と考え方や感覚やらがどことなく似ていた。
悔しいことに、初恋の女の子まで同じだった。どちらもふられてしまったんだけど。
他愛無い話がいつまでも続くのは、なんだかんだで気が合うからなんだろう。

「体育、明日マラソンだぜ……。」
「無理、マジ俺無理だから。泣くぞ。」

泣き真似をするあいつを見て噴き出す。鼻が本当に真っ赤になってしまっていた。

「今度から、お前マスクでもしたら?」
「そしたらなんか良いことあんのか?」
「おう、例えばその鼻の赤みが引いたり、少しあったかくなったりな。」
「……仕方ないだろ、体質だからな。」
「結局やらないのかよ。」

例によって例の如く、類友に笑われた彼が反撃するまで、あと三秒。






まあ、文章が不自然なのは縦読みしたらわかります。懐かしい。

一つ目が、
わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの おしくもあるかな
二つ目が
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそおしけれ
になってます。

しかしこれがんばったら盗賊に見えないですか、見えなくもない感じとかしま…せんか、そうですか…(笑)




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