手始めにパロディ。
料理人の卵なロラサンと会社員イヴェの同居生活。イヴェは絶対に朝は低血圧で苦しむタイプだと思います。








僕は朝が苦手だ。低血圧も手伝って非常に目覚めが悪いし今日もまた働かなければならないと憂鬱な気分になる。疲れがまだ半ば燻っている身体を起き上がらせるだけでも正直面倒臭くてたまらない。ずっと布団の中にいれたらどんなに楽だろう、何度そう思ったか。しかし非情にも世界の理は僕に牙を剥いて、眩しい日の光が半ば無理矢理覚醒を促した。
 ふと、鼻を擽る匂いが部屋の外から漂ってきた。焼いたパンとバター、そして食欲をそそるコンソメの匂い。今日の朝食はパンとコンソメスープか、とぼんやりした頭で考えた。そのあと、よしっ、という声に続いて火を止める音、そのあとにぺたぺたとフローリングを裸足で歩く音が聞こえた。

「イヴェールー、起きろー。」
「…………起きてる。」
「半寝のくせに。ほら早く、イヴェの好きなスープが冷めるぞ?」
「今、行くから…、……ねむ。」
「腹になんか入れたら覚めるさ。」

 ぐわしぐわし、と頭を揺らされた。寝起きの頭には強すぎる刺激が眩暈のように襲ってきて、思わず刺激の原因を睨みつけた。原因、もとい同居人は、全く気にしていない様子で再びリビングへと戻って行った。動くのが億劫でそのままでいたが、ぐうぐうと鳴る腹に催促される。無駄に良い匂いがこの無遠慮な腹の虫を起こしているのだろう。結局、揺れる頭を持て余しながら今日も無駄に美味しい朝食に思いを馳せるのだ。







リハビリっ!!




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