囚人という奴らは大概はよく分からない奴である。軽犯罪者なら三日程度で出ていくが、残念ながらここにいるのは重い罪を犯した奴らばかり。最低でも一年はずっと見張りを続けるのだが、正直二ヶ月もすればそいつがどんな奴か分かる。気違い、異常な性癖を持つ奴、病んでる奴なんかざらだ。 そんな奴ばかりを見てきたからだろうか、俺にはこいつがよくわからないのだ。最近やってきたこの白髪の男は……まあ盗賊らしい。貴族の屋敷に単身で乗り込み宝石を奪おうとしたとか。その帰りに俺が見つけて捕まえた。血まみれで宝石を大量に持ってるという怪し過ぎるこの男を見ない振りは出来なかった。 しかしこいつはあろうことか自らこちらに歩み寄り手錠をかけられたのだ。 「あーあ、見つかった……。ここは見回りルートから外れてたはずなんだけど。まあいっか。ほらお巡りサン、早く捕まえてくれよ。」 そうへらへら笑うこいつを見てなんだか無性に殴りたくなったが、そこは警察官としてぐっと堪えた。手錠をしかとかけ、複雑な思いを感じながらも牢屋まで連行した。 牢屋には殺しやヤクなんかで捕まったイかれた奴が沢山いる。そんな中に放り込まれた年若い男は、勿論好色な目で見られた。かく言う自分も、配属されたときは似たような目で見られたので、なんだかデジャヴュを感じて背筋に悪寒がはしった。 「ははっ、オヤジ共と一緒とか、マジ勘弁。」 「良かったな、牢屋が一部屋余ってて。」 ここで終わり。 メモに残っていましたー(>_<) |