芸能人パロ。どっちも俳優かモデルあたりじゃないですかね←







 芸能人、というのは揃いも揃ってほとんどの者が美貌の持ち主だ。俺も無論その中の一人に入るのだろう。といっても、自分の顔に大した価値を見出だしたことはないが。
 しかし、いくら美貌の持ち主が多い芸能界でも、こんな美人はそうそういないと思う。目の前で本を読みながら紅茶に口を付けるイヴェールを見て、俺はまたその思いを確固たるものにした。
 一流の職人が作ったアンティークドールにも負けない白い肌には、髪の色と同じ色の長い睫毛が影を落とす。真っ赤な瞳は紅玉よりも深い色で見る者の目を一瞬で奪う。漂う雰囲気はどこまでも高貴で近寄りがたく、だがその禁忌に触れたくて手を伸ばしてしまう。
 だが美しいが故に、彼に本来ある生き物らしい部分が隠れてしまう。それをテレビ越しに再確認して、非常に残念に思った。視線の先には、テレビの前で微笑みを浮かべながら質問に受け答えするイヴェールの姿。無機質で機械的なそれに、普段の彼を目にしている俺は違和感しか感じない。

「なんかあの顔、気持ち悪い。」
「失敬な、これで俺は稼いでるのに。」
「だって違和感しか感じないし。」
「ローランサンはプライベートな俺も見てるからだろ。違和感があって当たり前。」

 呆れたようにため息をついて眉を下げる。ああ、うん。やっぱりこっちの方が俺は好き。素直にそう口に出せば、イヴェールはまたため息をついた。

「それは、暗に俺を困らせるのが好きってことか。」
「や、それとは違うけど、でもそっちのが俺は好き。」
「それはありがとう。……まぁ、気持ちはわからないでもないけど。」

 え?と声を上げようとしたがそれは叶わなかった。唇の柔らかい感触とやけに近いイヴェールの顔。ふわっと香るのはイヴェールのにおいで、不思議と落ち着く。だが、それはいつもなら、の話で。
 結局しばらくして唇が離れた後も俺は呆然としたままイヴェールを見ていた。そんな俺の様子にイヴェールは笑ってこう言った。

「つまるところ、テレビの中のローランサンより、今俺の前にいるローランサンの方が好きってこと。」

 普段の倍以上の情報量にパンクした頭では、ああ、そう。と返すだけで精一杯だった。







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またパロで書きたくなったのでとりあえずお試し版。芸能人パロでした。




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