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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ 終わりはつくか


「海で入水自殺未遂とかマジ笑えねぇ!
"父なる海に我還らん――"とかワケわかんねー遺書残してんじゃねぇよナマエのバァカ!」
「いやだって死んだらアッチに帰れるかと思って」
「アッチってドッチだよ!ナマエは生まれてから今までずっとココにいただろうが!」



いやそれがオレ転生したんだよね。とも言えず、今日も顔の似ていない双子の兄の小言をナマエは聞き流す。ナマエは転生したトリッパーだった。何せ前世の記憶を丸ごと引き継いでこのワンピース世界にやってきている。故に兄であるエースよりも精神年齢で言うなら何十歳も此方が年上だ。でもまあエースは立派である。生まれ変わったことにより前よりも惰弱な性格になったナマエのケツひっぱ叩いて、ことあるごとに死んでまた現世に戻ろうとしているナマエの真意も知らないままに引き止め怒鳴っているのだから



「この前もお前、おれがミスして山賊にとっ捕まってた時に『エースを殺すならオレを殺せ!』とか言って乱入してきたよな!」
「ああ、あの時はイイとこまで行ったんだが死にぞこなった」
「ナマエ、危険も顧みずにおれを助けに来てくれたんだ!って感動したおれの純情返せバカ!」



だってあそこでオレが頑張らないとエースが死んじゃうかもと思って奮戦したら結果転がる山賊たちの屍の山に立っていたのはナマエだけだった…みたいな終わりになっちゃったからさ…返せって言われたって別にもらったわけじゃないから返せないし…



「なぁエース、オレどうやったらアッチに帰れると思う?」
「だからアッチってどっちだよ」
「もうオレこの世界やだ。毎日死と隣り合わせだし、山賊とか海賊たくさんいるし、車も通ってないしインターネットもゲームもないし詰まんない。やだ帰りたい」
「そこがどんな極楽かは知らねぇけど、ナマエは帰さないからな!その世界の使者が来たらおれ戦うぞ!」
「使者を殺す気かー」
「それくらいの気構えだってことだ!ナマエは弟だからな!おれが護る」



エースのこういうところは別にオレも嫌いじゃないのよね、実は。だからちょっと離れがたい部分もあるんだけど…



「あ、どうせならエースもアッチに連れて帰りたいや」
「…どうしてそうなった。死後の世界にまで引っ張ってく気か」
「だってエースとも離れたくないんだし」
「……あっそ  べつにちょっと嬉しいなんて思ったりしてないんだからな」
「ツンデレかぁ」
「つんでれ?」





もういいって、バカばっかやってないで、今日の分の飯取りに行くぞ
おっけい兄ちゃん。巨大猪とか飛び出してこないかなーあわよくば巨大角がオレの腹部襲わないかなー
いい加減にしろよナマエ!!






▼双子の兄エースと転生トリップした死にたがりな双子の弟で家族愛/くるりさん
リクエストありがとうございました!



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