4万企画小説 | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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▼ 恋を愛したバカが二名

(あと口の悪いイゾウ)











「ああ見えてサッチはナマエのことが大好きだぞ」
「またまたご冗談を。出なければあいつの目玉はガラス玉か?オレのどこが女に見える?いとをかし」
「折角教えたのに使い方ちょっと間違ってる」
「イゾウの故郷の言語は面白いが難しいな」



おい伸し掛かってくるなよナマエのバカ野郎 テメェにはあのマストの陰に隠れて歯噛みしてるリーゼントが目に入らねぇのかよ。て言うかリーゼントもといサッチの奴もそんなところで恨めしそうにしてないで特攻かけて行けよ。テメェの「女好きだと公言しておいてナマエに嫉妬を焼かせておれがナマエにモテてモテて困っちゃう作戦」(口にするのもバカバカしい)は今のところ大失敗に終わってんよ。作戦立てる前までのナマエがサッチに抱いてた好感度もゼロにリセットされちまったわ。心にもないことするからそうなんだよバカじゃねぇの



「イゾウ、何だその熊をも射殺しそうな目つきは」
「お前にモテてモテてモテたくて仕方の無い阿呆を見る目だ」
「誰だよそんな阿呆は。あそこのリーゼントか」
「気付いてたんならあっち行ってやれよ」
「断るね。オレはイゾウの膝枕が大好きだ。イゾウの次くらいに」
「じゃああそこのリーゼントのことはどれくらい好きなんだ」
「そうだな。トンカチの次くらいにかな」



トンカチにも負けてるぞあのリーゼント。お前のそのチャームポイントかち割ってやろうか。大体ナマエもナマエだ。女好きのサッチがわざわざ惚れたってのに、自分も応えてやればいいものを。「女好きの男に惚れるとかまじオレってろくでもない人間だわどこで好み履き違えたんだろう」とか言ってる場合じゃねえぞこのマヌケ。両方から相談持ちかけられるおれの身にもなってみろ。こちとら他人の色恋に興味ある程暇じゃねぇんだよ











「ナマエー!おれはトンカチ以下の男なのかよー!!」
「げっサッチ来た」
「サッチ、お前にナマエを膝枕する権利を授けよう」
「よし来たイゾウ!」
「おいイゾ、」



早足で襲い掛かってきたサッチの為に、今までナマエを膝枕していた態勢から俊敏に離れたイゾウ。その後釜についたサッチの膝は、先ほどのイゾウのそれに比べて硬いやら高いやらで首が痛いやら。下から見上げる顔も美人じゃない。男臭いぜやんなっちゃうぜ



「…今オレの中でイゾウにしてもらった感触が次々に消えて行く音がする」
「消えろそのまま!全部消えろ!おれで書き換えろ!」
「ちょっと嫌だ」
「真顔やめろ!泣くぞ!」
「もう泣いてるぞサッチ。あ、口に涙入った」



男泣きしたって似合うぐらいの男顔のくせに。一体オレはコイツのどこを好きになったのか、甚だ疑問である。一度カウンセリングを受けた方がいいのかもしれない。それに加えてこいつは女好きだしナース姿えろいだのメイド服えろいだのばかり言ってるような男だのに、ええとそれから、はてさて




「……どうにもオレはおかしな人間らしい」
「はあ?」
「こんな事になっても、お前の泣き顔には胸が高まって仕方ない」
「っじゃあおれと一緒にいろよ!イゾウとじゃなくて!」
「…お前の膝の質感が良くなったら、考えておいてやろう」
「任せろ!すぐに取り掛かる!」
「あと、『女に声をかけてオレに嫉妬心を燃やせよう作戦』はバカバカしいから、止めるが吉」
「分かった!」
「ええと後はだな……サッチから言いたいことはあるか」
「キスしてくれ!」
「…いきなり難易度が高いことを……」
「!」



腹の力だけで起き上がるのは、なかなかに疲れるのだサッチよ
あと、お前の唇涙に濡れて少ししょっぱかった







▼女好きサッチと恋人になるまで 男主/くまさん
リクエストありがとうございました!



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