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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ 愛?何を夢見たことを仰られる

「怪我して来た奴はそのまま船から飛び降りて溺れ死ねばいいのに」
「え、えっと…ナマエさん…そ、そこを何とか治療してもらえませんかね……」
「チッ 今回だけ特別に大目に見てやる。しかし次はないと思え」
「あ、あざーっす!!」



ナマエの口をついて出たのは到底船医とは思えない悪態だ。眉目端正な顔立ちから吐いて棄てられた言葉とは思えないその片言に、慣れていない新入りは戸惑うだろう。だが決してナマエと言う男を乱暴で無慈悲な人間と思わないで欲しい。ほんの少し、他人を思いやる為にどの言語を用いればいいのか分からない不器用な人間なだけなのだ




「ナマエ〜おれも腕を擦りむいたよい」
「そこの棚に今日届いたばかりの塩があるから使うと良い」

「ナマエ!今朝から脇腹が痛いんだけどどうしたらいいかな!」
「クソして寝てろ」

「ナマエー!リーゼントの調子が悪いんだけど!」
「帰れ」

「ナマエ、膝が昨日から重いんだ。悪いが看てくれないか」
「眩しい。見てたくない」

「ナマエ! ビスタに鼻先切られた超痛い沁みる!」
「ハルタ来てたのか。小さすぎて見えなかった」
「なんだとテメェー!おれはこれでも標準サイズだぞ!!」




門前払いなんて生易しい。医務室に入れただけでもそいつは上出来だ
塩瓶渡されて帰らされたマルコや、身体のダイヤモンドが反射して眩しいからと帰らされたジョズ、一瞥もされずに突き返されたサッチの気持ちなんて、
今医務室にいて不遜な態度取られながらもナマエに手厚く治療されている奴らには分かりっこないんだ。
しかしこれは裏を返せばナマエが慣れ親しんだ者達だけに取るつっけんどんな行動だと考える者達もいる一方で、ナマエももう少し優しい言葉かけてくれないかなぁと泣く者もいる。それは甘えと言うんだ小童め(某隊長のコメントより)




「オヤジさん 薬剤投与のお時間ですよ」
「ああ、もうそんな時間か」



助手の美人看護婦を引き連れて立つその姿はいよいよ以って海賊らしからぬ風体だ。白ひげに新参した奴らはまず始めにナマエと言う男をやっかむ特性みたいなのがあるらしく、「あんな美人な看護婦達をアイツは日めくりカレンダーの如くとっかえひっかえしてるらしい」と。色男は大変だな。しかしそれは全部誤解と言うもの。ナマエと言う男は、これがまた手酷い男で自分を慕ってくれている看護婦にも「色恋に惚ける女は大嫌いなんだ。船を降りるかオレの前から今すぐ消えてくれないか」なんて言うもんだからてっきり女性達からの評判は最悪かと思えばイケメンだから全部許されているらしい。女と言うものはまったく




「どうだナマエ 今日も息子達はお前んとこの門を叩いたか」
「………大勢やって来ましたよ。群がる蟻みたいに」
「グララララ そうか、ならお前も苦労しただろう」
「……まあ、そうですね」



心電図を調べ今日の薬剤の分量を調べているナマエの背中を見てニューゲートは笑う
ナマエと言う男の本心を見抜いた、数少ない人物がこの海賊団の船長たるこの人だった



「また今日も心にもない事言ったんじゃないのか?」
「…………それは怪我してくる奴らが悪いんですよ」
「おおそうか」
「怪我した奴が担ぎこまれてくる度に心痛めて心配してるオレが馬鹿馬鹿しいんですよどうせ。じゃないとあんなヘラヘラした顔で医務室に入ってくる訳がない。傷や怪我ってのをアイツ等は甘く見てるんです。そんな奴らを見てたら腹が立つ。医務室来るな」



ナマエのその言葉にニューゲートはまた豪快に声を上げた。
このナマエは。まったく素直でない
要するに白ひげのクルー達に一切どこも怪我をしてほしくないんだと、何故素直に伝えることが出来ないのか。ナマエと言う男はこんなにも家族想いなのだ。それを伝えてやれば、あいつらも喜ぶだろうに。 いや、もしかしなくても既には




「分かってる奴も、どうやら居るみたいだがなァ」
「は…?」



ウチの息子達もバカで鈍感な奴らばっかりじゃあないってことだナマエ



「しっかり息子達に愛されてやれよ、ナマエ」
「………御免被る」



それが嬉しいくせに。嬉しいと言うことを、知っているくせに








▼白ひげと親子愛/マヘスさん
▼白ひげ海賊団の船医で性格悪いけど何気に家族思いな男主(イケメン←)で家族愛/印さん



リクエストありがとうございました!



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