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「#幼馴染」のBL小説を読む
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▼ 肴にして食っちゃえよ


海賊に宴は付き物だ。そして宴に必要なものと言えば、やはり酒だろう。
クルー達と結託して調達して来た質の良い酒は、キャプテンのお眼鏡に叶ったらしい。美味しい料理を期待してると言われれば、腕を奮うのがコックの役目だ
なるべく皆の酒が進むような料理を作ってやろう。腕まくりをして気合を注入。キャプテンの懸賞金が上がった祝いだ!盛大にしよう




「キャプテーン!何はともあれ懸賞金アップ、おめでとうございまーす!」
「もう少し上がるかと思ったんだけどな」
「でももうすぐ一億ですよ」
「まだまだ」
「ですね」


コックが腕にヨリをかけて作った料理とクルー達が調達した酒とで宴は盛り上がっていた
キャプテンの強さはもっと知れ渡るべき!と言う話題から始まった雑談は、
昨日、海賊船から奪ってきた金の使い道はどうするか、に転じる


「やっぱりそろそろ船の拡張じゃないですか?」
「まだいいんじゃないか?それよりも設備投資だろ」
「金はとにかくとして、潤いが欲しいですキャプテン!」
「女の子欲しい!」
「イラねぇよ。うざってぇ」



雑談に混じらず、次々に酒を開けていたローはクルーの言った言葉に顔を顰める
キャプテンが否定的では駄目だ!とだんだん酔いが回ってきているクルーは尚も食い下がる


「要りますって!女の子!」
「…じゃあ例えばどんなのが欲しいんだ」
「そりゃやっぱ見た目がよくないと!」
「そうかナマエか」
「えっ?い、いやいや何でそこでいつものナマエさんの名前が」
「いいから続けて言ってみろよ」


ボトルを手に持ったまま、ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべているローは完全に出来上がっている
そんなローの様子に辟易もしないぐらいにテンションの上がっているクルー達は楽しそうに思い思いの女のタイプを挙げていく


「ギャップがある子だろ!」
「そうかナマエか」
「優しかったらなんでもいい」
「そうかナマエか」
「料理とか作れるとポイント高いっすよ!」
「そうかナマエか」
「笑顔の素敵な人だな〜」
「そうかナマエか」


ローは持っていたボトルをドンと甲板に打ち付けた



「お前らの話を総合するとそうかナマエか。よもやとは思っていたがお前たちもやはりナマエ狙いか。いいぜおれと戦え」
「冗談言わないでくださいよキャプテン!」
「話に聞いてるだけのナマエさんを狙うも何もありませんから!」
「しかしお前らの言うタイプにナマエは全部当てはまる」
「そんなナマエさんはキャプテンにあげますって!」
「……おれのものか」


あ、赤くなってる


「あ、おれにもう一個タイプありました!性別が、女であることです!」
「そうか、ならナマエは違うな」
「でしょ! って、キャプテン!一人で酒開け過ぎですよ!」
「俺らの分ー!!」




▼恋情増幅@番外編で照れるor恥ずかしがるロー(27話の「主への想いの丈」の内容)/ちぃさん
リクエストありがとうございました!


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