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▼ 坊主頭と帽子男



朝の電車内。通勤通学する人間達で溢れかえる……程ではなく、ポツリぽつりと空席の目立つ朝の電車内。
毎日横掛けの椅子にローと隣同士に並んで座れるのは、オレの朝練が7時半から1時間、学校グラウンドで始まる為に6時半にはこの電車に乗ってないといけないから、通勤通学ラッシュに遭遇しないからである。


隣でパズドラを弄っていたローから「ムリ。ヘラ無理」と言う声が聞こえてきた。
ゲーム画面を閉じ、今度はダルそうにメッセージ確認をしているロー
因みにこのローは、帰宅部だ。帰宅部に朝練はない。
本来ならばこんな早くに出発する必要はない生徒なんだが、毎朝駅のホームで合流することになっている。勿論これには理由があるけど


人の疎らな電車内。他人の耳を煩わせないように、声を潜めて会話するこの距離感



「ナマエ、今日も放課後練習あったか?」
「あるよ。もうすぐ大会だもん」
「じゃあ今日のルフィ開催の焼肉パーティーにも不参加?」
「えー行きてー…でも行けない…」
「ん。じゃあおれも行かない」
「行けよ」
「行かない」



本当に「行かない」って返事してるぞコイツ。行けよ。行けばいいのに。そう言うクラスの行事に行きたくても行けない部活人でもないのに



「そう言えばローって、朝早く教室行って1人で何してんだ?」
「窓際の席からナマエ見てる」
「ふーん?それ面白いのか?」
「楽しい。必死でボール追いかけてる感じとか」
「野球部なんだから当たり前だろ」
「県大いつだっけ」
「5月中旬 クラス応援来るよな?」
「行く "ローの為にホームラン打ってやる"ぐらい言え」
「無茶言うな。ツーベースヒットくらいなら捧げてやっても良い」
「何か地味」



ヒソヒソ。耳元近くに来てるローの唇が動くのをじっと追いかける
ガタンゴトン。規則的に揺れる電車のリズム。早起きは苦じゃないけど、眠気を促すこのリズムが地味にキツイ
ウトウト。うとうと



「おいナマエ 寝るなよ」
「ねてない」
「寝ようとしてる。起きろ」
「ねようとしてない」
「お前が寝たらおれが暇だろ。おーきーろ」
「いてててほっぺ引っ張んなし」
「じゃあ寝んなし」
「両頬に及ぶなし」




これがローの言う"通学デート"なんだろうか。なんだろうな
「こうでもしないと部活に忙しいナマエとデートする時間がない」と言うローからの提案で、これでコイビトも満足してくれているのならオレも改めて部活に励むことが出来るし、ローも楽しそうだし、全く問題はない。







▼男主でローと学パロ/京永さん
リクエストありがとうございました!


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