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▼ ほのぼの・ほのぼの・炎炎

・きたないくらいがちょうどいい より過去














ようやくもぎ取れた休暇だ。しかし折角足を運んだサカズキの家に、当人はいなかった。
休日の日、此処にいないとあらばヤツが行くのはもう一箇所ぐらいなもんだ。




光となってその場から姿を消した私服姿のボルサリーノは、
すぐにナマエの家の玄関に姿を現した。



「邪魔するよ〜」
「おやおやボルサリーノさんじゃないですか」
「やぁナマエ〜出迎えさせちゃって悪いねぇ 此処にサカズキは来てるかぃ?」
「いらっしゃってますよ。サカズキさんさんがどうかしましたか?」
「いやね〜家を訪ねてもいなかったから、ナマエの所になら来てるんじゃないかとね〜」



ほぅら、わっしの作品も持ってきたから仲間に入れておくれな。手に持っていた盆栽を見せれば、ナマエは「どうぞ」と笑って戸を横に大きく開いた。もう一度邪魔するよぉと声をかければ、奥の間に座っていたサカズキがボルサリーノに目を向けた



「…なんじゃ、お前さんもか」
「そんなしかめっ面しな……あれぇ?」
「どーもー」
「あらら…クザンまでぇ」



襖の陰に隠れていた大男はクザンだった。この男がこの家にいるのは珍しい
共通の趣味を持つでもないクザンが、何ゆえにこの場でアイマスクをし寝ているのか?



「ボルサリーノさん、お茶は要りますか?」
「ん〜?じゃあ紅茶でも〜」
「はいはい」



ボルサリーノに挨拶だけして、また直ぐにアイマスクを付けて寝の体勢に入ったクザンの身体の横には空になった湯飲み。サカズキは当初から居たとして、クザンは一体いつから此処にいたのだろうか



「クザンさんは30分ほど前に来られてましたよ。紅茶どうぞ」
「あれぇ、なぜ〜?」
「何でも女性に手酷く振られて行き場を無くしたとかなんとか…… サカズキさんもお代わりいかがですか?」
「貰う」
「はい」



また女性関係かぁクザンも懲りないねぇ。理由がくだらないのだと分かればクザンにもう興味はない。ナマエから茶を受け取り、黙々と松に鋏を入れて行くサカズキの姿を見て、
次にナマエの庭園を見に降りる。うんうん、相変わらず美麗な作品たちだ。あの男の手の器用さには感心する




「しかし…今日はサカズキさんだけが家に来る予定だったのに、こうして3人も集まるとは」
「この空間は今、"世界で一番おっかない家"をしてるねぇ」
「ですねー。出来たら四日前にもいらしてくれていたら、良かったのですが」
「……何かあったんか」
「実は、強盗に入られちゃいまして」




バキン!


松の枝を大きく切り落としてしまったサカズキが見開いた目をナマエに向けた



「…ほんまか?」
「情けない話です」
「犯人は」
「まだ捕まっていないようで…」
「なに盗られた〜?」
「掛け軸と壷はゴッソリいかれましたね。後は細々としたものやらを」
「……… ………」




おーおーおーサカズキさんが激怒してらっしゃるよ〜コワイコワイ


ナマエは事も無げに言ってしまってる
でもサカズキの心内は大勢の人間がいる中からわざわざナマエを選んで盗みに入った泥棒の方に向けてる怒りが大半を占めてるだろうけど、後のもう半分はそんな"悪"がまだナマエの近くにいたことを含めて自分に怒ってるんだろうねぇ。サカズキはそう言う"人間"だから



「…サカズキさん、泥棒退治やるんならおれも手伝いますよ」
「………あぁ?」
「世話んなってるナマエさん家狙う泥棒とか許せねーっすもん」
「……おまんにしては珍しいのう」
「えーなになにぃ、2人がやるならわっしもちょっと手伝うよぉ」

「待っちょれナマエ 直ぐにしごすてきちゃるけん」

「頼もしいです」




多分すぐに焼死体で発見されると思うから、安心して待っててね〜






▼短編@きたないくらいがちょうどいい 設定で大将2人から見た主とサカズキ/シアンさん
リクエストありがとうございました!


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