「キャプテン!その人が、キャプテンが前から言ってた"トリト"さんですか!」
「幻とも言われてるキャプテンの幼少時代を見てきた人…!」
「キャプテンの子どもの頃ってどんなだったんですか!」
「何でもキャプテンをいとも簡単に手懐けてたらしい!」
「キャプテンの初恋の人って本当ですか!?」
「キャプテンが唯一涙を見せた人って言う噂は!」
「キャプテンの腕のネクタイの持ち主ってトリトさんだったんですか!」
「お前ら黙れ!!」
最近の若い子は元気イッパイだなぁ。
オジサンはもうそう言うノリに苦笑いでしかついていけなくなっちゃったんだよスマンな
しかし、喧しく騒ぎ立てているクルー達を怒鳴っているローを見る事でこんなに幸福な気持ちになれるとは。本当に、大きくなった。腰元に頭が付くか付かないかぐらいだった背丈は、悠々と肩口に到達している。190はあるだろうか。
オジサンながら成長したな、と思っていたが、直に追い抜かれるだろう。
いやあ、しかしあの小さかったローが……月日の流れは無邪気にも残酷すぎる
「トリト …聞いてるのか? トリト!」
「! お、おぉすまない。聞いていなかった」
「ったく……久しぶりの再会だってのに、ボーっとするなんざ許せねぇな」
「ははは、すまんすまん。 大きくなったなぁロー」
「……!!!」
「うお!?」
「おお!!」
「すげえ!」
「キャプテンが誰かに頭撫でられてるー!!!」
「うるっさい!!」
…もしかして、子どもの頃みたいに頭とか撫でちゃいかんのだろうか。
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