恋情増幅 | ナノ
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間違いない



記憶の中のトリトよりも幾分老けてはいるが、17年の歳月の老いだと考えるとピッタリ当て嵌まる。身体も大きくなっているし、髪も短くなっているが、この男、トリトだ。絶対に間違いない。俺がトリトを見誤る筈がない
トリト、トリト、トリト、会いたかった、ずっと、ずっと
トリト




 しかし、なぜ?何故トリトがこの世界にいる?

まさか、トリトもまた、自分と同じ方法で別の世界に飛ばされ、ここにやって来たのか?


 なら、どうしてこんなチンケな海賊団にいる?

まさか、縄で縛られているのは、どこかで捕まってしまい、この海賊たちの捕虜になっているからなのか?
考えると頭が熱くなった。
よくも、トリトを捕虜にしやがったなこの×××野郎ども。殺す




の前にトリトと宝と食糧の確保が優先だ





「追加だ。そこの男も渡してもらう」

「………え、何でオレも?」



ローの隣のベポを見ていきなり倒れていたトリトが不思議な顔でローを見る。
変わらないその言葉遣いや声、喋り方にローはフッと笑みを零した


トリトはまだ、俺がローだと気付いていないのか。少し寂しいが、まあ後で教えればいいことだ
クルー達がこの船に積まれていた宝や食糧や金貨をどんどん船に積み込んで行くのを見届けながら、
依然バラバラにされたままの船長に駆け寄っているトリトに近付く




「!?」



警戒色を浮かべたトリトの目に少し傷ついたが、刀を振り下ろし、トリトの自由を奪っていた縄を切ってやると、その目はすぐに疑問を浮かべる




「な…」
「行くぞ、トリト」
「……どうしてオレの名前知ってんだ?」
「……… さあ?何故でしょう?」



ニヤっと笑ってトリトに顔を近づける。いつ気が付いてくれるんだ、お前は



「おい……トリト……」
「船長さん!?」
「……」

「テメェ…さっき言ってたろ…トラファルガー・ローのこと…」
「あ…あぁ、言ったが」
「そいつだよ…」
「は?」
「その男が、お前の言っていた、トラファルガー・ローさ……」
「…!?」
「…」



死にぞこないが
お前が口出ししてんじゃねえよ





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