「お前な!!」
やけに向こう見ずな奴だ。さっき船室から飛び出して来たのはこの男だったか?
何故かスーツを身に着けている。海賊じゃないのか?変な男だ
だが、キツく呼び棄てられて許しておく程ローは寛大ではない
バラしてやるか、とローは男の方に向き直る
「……… …!?」
浮かべたローの腕が、ピタリと制止した
――――― トリト?男の手が持ち上げられたことにトリトは内心ビビったが、それ以上男は何もしてこない。
なんだ、焦らされているのかオレは。死に怯える人間を見て喜んでやがるのかコイツは
そう思うと、凄く腹が立った。なぜ、死に怯えてキツく目を閉じて逃げなければならない。正々堂々と正面から見据えて散っていってやる!手ぇ縛られてるけどな!
バラバラにされたままの船長さんから顔を上げて、目の前の男を睨みつける
おう若造。何でもお前のやる通りになると思ったら大間違いだ……ぞ……
……あ?よく見たらこの男、どこか見覚えのある顔してんな……
はあ!!?っつ、つつつか、この男の隣に立ってるあの熊なんだ!!?デカ!!!!ツナギ着てるぞデカ!!!!コワ!!!!死んだフリしよう
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