恋情増幅 | ナノ
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他の海賊たちは、他の皆が倒したらしかった。名も聞かぬ内に、ハートの皆の手に寄って縄で縛り上げられ崖っぷちに連れて行かされている。

1人で船の方に行くのを見た時は肝が冷えましたぁ!と泣きついて来たシャチ君。それを殴って引き離したローが(何故わざわざ一回殴る必要が?)、汗一つない涼しい顔なのに、やけに厳しい、難しい顔をしているのが気になった。オレから目を放さないから、そんな顔をさせているのはオレの関する何かであることは悟れる。言いたいことはズバズバ言うような性格に見せて、オレに対してはどこかまだ遠慮しているローは、何を伝えたくて見てくるのだろう。それはやはり、年上である自分が促してやる必要があるか


「……ロー、桟橋の方に行こうか」
「…! …何で?」
「なにか、言いたそうだ」
「………」
「ほら」


指摘されても素直に従わないローを先導する為に、ローの細い手首を掴んでさっきまで居た桟橋にもう一度足を運んだ




「…それで?言いたいこととは?」
「……」
「さっきの戦闘っぷりを褒めてくれるのか?」
「……」
「でもあまり最中のことを覚えてなかったりするんだ。情けないか?」
「…………」
「…あ、そう言えばさっき脇腹を切られてな。後で手当してもらえるとありがた、」
「トリト、アンタはやっぱり、この島で船大工として生きるのが幸せなんじゃねぇのか」
「…………ん?何を言い出して、」



ローの目が、射抜くように強い光をしていた



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