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「#幼馴染」のBL小説を読む
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数時間前までは静寂を保っていた海岸から、わあああああ!と言う叫び声が聞こえてくる
部屋に呼びに来てくれたバンダナ君の案内で問題の場所に到着すれば、あちらこちらにハートのクルーと見知らぬ海賊旗を掲げるローの10倍人相の悪い海賊達がぞろぞろと、


急いで視線を巡らせば、大人数の海賊を相手にしている最中のローを見つけた

武器を構えた海賊達に一切物怖じせず、造作もないように一瞬で相手の身体をバラバラにして、その身体を踏みつけている。

「ロー!!」と叫んでそちらへ駆け寄ると、ローもオレに気が付いたようで「トリト!」と名前を呼び走り寄って来た



「なんだコイツ等は」
「手配書リストを全部確認しなかったのか? そこそこ懸賞額が高いだけの、能力なしだ」
「そこまで言ってやるな。でもどうしてこの海賊たちは襲ってきたりしたんだ?」
「さあな。 直接聞くか」



そう言ってローの向けた視線の先には、船長だろう、厳つい体格の男が武器を構えてニヤニヤと見てきていた



「トラファルガー・ローだな」
「………」
「この島にお前が滞在してるって噂は本当だったようだな。好都合だ」
「………」
「ここでお前を倒せば、おれの懸賞額は一気に跳ね上がんだろうなァ!」



気を高ぶらせている男の言葉なんて、ローの耳にはちっとも入って来てやしないんだろう
心底つまらなそうにし、相手の船長を見ずになぜかオレの顔をじーっと見てきている。
そこで自分も思い出す。数時間前のローの言葉を
羞恥心が湧き上がり、顔が熱くなったような気がする。そんなオレの表情に釣られたのか、ローの顔もほんの少し色がついた




「…なあ、ロー」
「なんだトリト」
「見つめ合ってないで、アイツを見てやったらどうだ」
「嫌だ」

「舐めてんのかトラファルガー・ロー!!!」



……ほら怒らせ、




「!?」
「どうした?」
「船の方に敵が…」
「なに?」



ドックに停めている未完成のままの潜水艦の方へ、数人の海賊たちが向かう姿を見た

心臓の鼓動が、早鐘を打つ




「やめろ!!」

「!? トリト!1人になるなバカ!」


「おっと待てトラファルガー・ロー!!」
「っ、ああもう鬱陶しい!!」



すぐにトリトを追わなければいけないのに!邪魔するな




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